お伝えしたい『葬儀の知識』

2023.01.30

追加料金は「一切」不要で気をつけなければならないこと

追加料金は「一切」不要で気をつけなければならないこと

今回は、お葬式の費用についてのお話をさせていただきます。お葬式は初めてという方が多いですから、料金がどのくらいかかるのか気になるところだと思います。

葬儀社のホームページやチラシを見ますと、追加料金は「一切」不要などのキャッチコピーが多く見られます。しかし本当に、「一切」不要なのでしょうか?

結論から申し上げますと、お葬式を執り行う上で、『追加料金はかかるものである』という事を前提に考えた方が良いでしょう。

ではどのような場合に追加料金がかかるのか、今回はお葬式を依頼するときに気をつけなければならないことについてお話しします。

 

【よくある追加料金のケース】

想定できる追加料金としては、たとえば、
・パンフレットにある生花祭壇を大きくしたい
・お花の種類や色合いを変更したい
などのご要望に伴うものがあります。

また、菩提寺などに寺院用具を確認する時に葬儀プランに含まれていないものを要求される事があります。たとえば、白木の位牌の他に野位牌や七本塔婆、六角七本などが必要になることがあります。これらにも追加料金が発生する場合がありますが、これは想定内の追加料金です。

寺院の送迎でハイヤーの手配をお願いされるケースもあるでしょう。当然ながらハイヤー代がかかりますが、これもよくある追加料金のひとつです。

 

【想定外の追加料金がかかるケース】

問題は、想定外の追加料金です。あとから実費を請求されて、驚いてしまうお客様も少なくありません。ではどのような追加料金があるのでしょうか。

 

◎スタッフ増員・設備の拡大

お葬式にお招きする人数が、当初の予定よりも大幅に増えてしまった場合、スタッフの増員が必要になることがあります。

たとえば数十人で収まるはずが100人近くになってしまったというとき、進行役を含めて2名程度のスタッフでは進行しきれません。

お客様はなんとかなるだろうと思って、スタッフを増やさなくても良いとおっしゃるかもしれませんが、クロークを増設し、参列される方のご案内など仕事が増えた分、とても2名では足りず、スタッフの増員が必要になります。

 

◎ご遺体の状態

ご遺体をご自宅で安置している場合、急激に変化してしまうことがあります。その場合、専門のスタッフでなければ適切な対応ができません。

 

◎警察案件になってしまった場合

何らかの事情で警察案件となってしまった場合、ご遺体の検案が必要となるため、引き取るまでに半日~1日待たなければなりません。

その際、待機が必要なりますから、その分スタッフの人件費が必要になります。

 

◎寝台車の時間・滞留・距離

寝台車は基本料金のほかに、走行距離に応じた費用がかかることがあります。

深夜に利用した場合は深夜料金が加算されることがありますし、病院で思いのほか待たされてしまった場合などは車の駐車場料金なども追加になります。

 

◎返礼品・会葬礼状の追加

参列された方が予定していた人数よりも大幅に増えてしまった場合、追加になるのはスタッフの人件費だけでなく、返礼品やお礼状の料金も当然追加になります。

 

◎飲食関係

参列者の人数が増えると、飲食代にも影響があります。

ご家族だけのお葬式であればほとんど変更はありませんが、親戚、会社関係の人、ご近所様にもお声がけしているときには、思いのほか人数が増えてしまい、飲食の代金が追加になることがあります。

 

【追加料金が発生しうることを説明すべき】

たとえばお花の変更をしたいなど、喪主様の側からのお申し出であれば、事前にどのくらいの料金が追加になるかがわかりますので、それほど大きな問題にはならないと思います。

しかし、想定外の追加料金は、事前にいくら追加になるのかがわかりません。参列される方が最終的に何人になるのか、喪主様の側でも想定できないことだと思います。そうなると、事前に料金を算定することが難しく、あとから実費で請求されることが多くなるでしょう。

ご家族としては、「追加料金は一切なし」と書かれていたのに、これはどうしたことかと戸惑うはずです。想定外の料金とはいっても、追加料金が発生する可能性があるのなら、「一切なし」などとは言わず、前もって伝えておくべきだと、代表・近藤は言います。

あらかじめ料金を算出することが難しくても、追加の可能性についてお話ししておくだけでもご家族の気持ちは違うはずです。

お客様はお葬式の経験などない方が多く、大切なご家族を失い、突然のことで気が動転していることもあります。じっくりお話を聞けるような状態にはないかもしれません。

そのようなバタバタしている中で、お客様とのコミュニケーションがうまくできないこともありますが、だからこそ、丁寧に説明をしておく必要があるのです。

追加料金がかからないと謳っている会社に対して、消費者庁が景品表示法違反で措置命令を出している例もあります。

実情を正直に伝えるならば、お客様が後から驚かないように、追加費用が生じる可能性があるということを知っておいてもらうこともとても大切なことだと考えています。

まとめ

追加料金「一切」なしと謳っている葬儀社がありますが、実際には追加料金が発生するケースが多いものです。最初から想定できるものもあれば、参列者の増加などによって追加になる料金もあります。

あらかじめ金額をお伝えすることはできなくても、追加料金が発生しうることを丁寧に説明しておくべきだと私たちさくら葬祭は考えています。

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