なずな日記

2020.06.26

うちに来た鳥

うちに来た鳥

いつ頃から聞こえていたのだろう?5月の半ばくらいからではないかと思います。家にいると、鳥のきれいなさえずりが聞こえるのです。

ピーヨロピーヨ…

鳴き声がきれいな鳥で有名なのはウグイスですが、他にもこんなにきれいな声の鳥がいるなんて。

初めはどこかで飼っている鳥かと思っていました。

 

ある日、鳴き声がすぐ近くに聞こえたので、窓を開けてバルコニーに出ました。

ピーヨロピーヨ…

声の方を見上げると、マンションの上の方にある、ちょっとした隙間に鳥の姿が小さく見えました。

 

ピーヨロピーヨ…

あの子だったんだ。

 

その時は影になっていたので、どんな色でどんな姿か、わかりませんでした。しかし、毎日見ているうちに、スズメより大きく、ハトより小さい、ムクドリくらいの大きさで、灰色と茶色の混じったような色をしていることが、わかりました。

 

なんていう子なんだろう?

パソコン検索して調べると、イソヒヨドリのメスと分かりました。

 

鳥のメスは、オスに比べてあまりさえずることはないと言いますが、この子はメスだけれど、きれいな声で鳴いています。

ちなみにイソヒヨドリのオスは、お腹がオレンジ色で、全体が青く、幸せの青い鳥と言われているそうです。

 

メスのこの子は地味ですが、声は素晴らしくきれいです。それに判官びいきと言うものでしょうか。見たこともない幸せの青い鳥より、きれいな声を、毎日聴かせてくれるこの子の方が、私にはかわいく思えました。

 

毎日のように、きれいな声が聴こえます。姿は見えなくても、さえずりだけは聴こえるので、近くにいるのが分かりました。

鳥と言うのは、群れをなしているか、つがいでいるか、どちらかだと思っていましたが、イソヒヨドリは繁殖期だけつがいになるそうです。そして、ヒナを育て上げると、また一羽だけで過ごすのだそうです。

ヒナが巣立って、夫婦が別れるときって、悲しくないのかしら、など人間である私は思ってしまいます。それにしても、普段は一羽で暮らすなんて、クールで逞しい鳥ですね。群れをなした方が安全だと思えるのですが、イソヒヨドリには、一羽でいる方が都合のいい何か理由が、あるのでしょう。

 

繁殖期は5月だそうですが、暖冬の今年は、鳥たちの繁殖期は例年より早かったと聞きました。だからこのイソヒヨドリも、子育てを終えて一羽でここに来たのか、あるいは生まれたヒナが巣立ってここに来たか、どちらかなのでしょう。

 

いつもこの鳴き声を楽しみにしていたのですが、雨が2、3日続いた後、気が付くと、あのきれいな声が聴こえなくなりました。

 

どうしたんだろう?

待っていれば、またここに来てくれるだろうか?

寂しくはあるけれど、どこからか飛んで来た鳥ならば、またどこかに行ってしまうのは仕方のないことです。

 

この間、近くの電柱にハトが止まっていると思ったら、ハトくらいの大きさの猛禽でした。こんな住宅街にも猛禽類がいるのかと、驚きました。

 

あの子は大丈夫だろうか?襲われてしまったのかしら?

戻って来てくれれば、うれしいけれど、自然の中で生きるって大変なことです。猛禽だけじゃなくて、カラスに襲われることもあるだろうし。

無事でいて欲しいと願いました。

 

もしここが安全で快適な所だと思ったら、ずっとここにいておくれ。

もしここよりずっと安全で、食べるものにも事欠かないところを見つけたのなら、その地で幸せになっておくれ。

 

それにしても、出会いと別れは世の常と言うものだね、おいちゃん。

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