なずな日記

2019.11.14

手元供養事情

手元供養事情

手元供養とは、お骨の一部(あるいは全部)を家に置いて、お祀りすることを言います。

 

久し振りに会ったその友達は、今年お父上を亡くしたそうです。

「あら、そうだったの、大変だったでしょう」

その人のお父上なら、そこそこ天寿を全うしたはずですが、人の死というのは悲しいものです。それに、慣れない葬儀に目が回るような数日が過ぎると、今度は役所や銀行の手続きに忙殺されます。

「そうなの、大変だったのよ。手続きもそうだけどね」

 

お父上が亡くなったとき、預金を調べてみると、お金がほとんどなかったと言うのです。

「だから、直葬で済ませたの」

「父のときは、うちも同じよ」

 

おいちゃんの葬儀は派手ではありませんが、さくら葬祭さんにお願いして、おいちゃんにふさわしいお見送りができたと思っています。

しかし、私の父のときは、本人の預金がほとんどなかったので、この友達のお父上と同じ、直葬にしたのです。

 

その後の埋葬をどうするか、お墓がなかったもので、私も頭を痛めました。仮にあったとしても、うちは私と妹の二人姉妹なので、私達がいなくなった後は管理ができません。

しかし幸いにも、家の近くのお寺さんに永代供養墓があったので、そこに納めることができました。

 

彼女の場合、適当なお墓が見つからず、お骨を家に置いて、「手元供養」の形を取っているそうです。

 

そう言えばおいちゃん方の叔父さんが亡くなったとき、叔父さんの奥さんである叔母さんは、お骨が家にあった方が落ち着くらしく、一年以上、家に置いていました。おとなしい叔父さんと、押しの強い叔母さんでしたが、仲のいい夫婦だったんだなあ、と思いました。

 

もう一人の叔父さんが亡くなったときは、分骨した小さな骨壺を、家に置いているようです。

 

愛する人のよすがを手元に置きたいと思うのは、人として当然の気持ちというものです。

 

以前であれば、地方によって違いはありますが、お骨は49日には埋葬しなければいけない、と言われたものですが、今はこのように、様々な事情で、お骨を家でお祀りする、手元供養が行われているようです。

 

お墓が見つからず、やむを得ずと言う場合もありますが、これも一つのお祀りの仕方と認知されてきたように思えます。

手元供養のために、部屋に置いても違和感のない、スタイリッシュな小さな骨壺も通信販売されています。

 

私の場合は、おいちゃんの遺髪、小さなお骨のかけら、爪などをティッシュにくるんでジッパーの付いた小さなビニール袋に入れたうえ、ビロードの袋に入れておいちゃんの遺影と共に祭壇に置いています。考えてみたら、これも一つの手元供養ですね。

 

これらはいつの日か、私がおいちゃんの所に行く時に、一緒に持って行こうと思っています。

 

 

Books

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