葬儀マナーの実際
2017.06.29
今回は六曜の中で「友引」と「仏滅」に当たる日のお葬式に関してお伝えします。
お客様から「友引・仏滅日のお葬式は避けた方が良いのですか」
とのご質問をよくいただきます。
「友引」と「仏滅」は六曜(ろくよう)のひとつです。
六曜とは、室町時代に中国から伝わった吉凶の付いた暦のことで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種の曜があります。
六曜の中で「友引」と「仏滅」についての意味を、以下に記してみます。
友引(ともびき)
日本の陰陽家(おんみょうけ)が名づけた日で、勝負なしの運勢。
朝晩は吉とされ、昼は凶とされています。
友引は、勝負事が何をやっても引き分けになるという意味から「共引」という字が当てられていました。
一方、陰陽道(おんみょうどう)では凶禍が友人に及ぶ方角とされています。
いつしか暦と陰陽道が混同され、友引の当て字が一般的になっていきました。
日本ではこれを「友を引く」意味に受け止め、縁起の悪い出来事に友を引き寄せてしまうという迷信となっています。
仏滅(ぶつめつ)
何事にも凶とされる日。
この日に病気になると長引くなどといわれていますが、根拠は何もありません。
仏滅は、仏も滅してしまうほど悪い日とされ、六曜の中では最も凶の日とされています。結婚式などのおめでたい行事はこの日を避ける傾向にあります。
仏滅という名称から仏教と関係あると思ってしまいますが、実はまったく関係ありません。
仏滅はもともと「物滅」と書かれていましたが、のちに当て字として「仏」の字が使われたとも言われています。
六曜では、友引にお葬式をあげることが悪いことであるという考えはありません。
仏滅も同様に、仏教とは何の関係ないということです。
暦上の運勢であるということです。
しかしながら、迷信が長く信じられていることで、現在では全国的に友引に葬儀が行われない地域がたくさんあります。
友引の日を定休日としている火葬場は、全国的にみても多いのが現実です。
しかし、友引日でも関係なく葬儀を行う斎場もあります。
横浜市を例にしてみます。
横浜市は 友引日であっても、市営四斎場(久保山・戸塚・南部・北部斎場)のうち、一部斎場は開場しています。
横浜市営斎場は、火葬場と葬儀式場が併設され、通夜・葬儀・火葬までを宗旨・宗派を問わず1ヶ所ですべて執り行うことができ、便利な斎場として広く利用されています。
※横浜市久保山斎場は火葬場のみ
葬儀式場を予約するのに1週間程お待ちいただくことも多くあります。
日延べを余儀なくされてしまいます。
ところが、友引日は比較的に予約がとりやすくなります(空きが多い)。
だからと言って、安易に予約(日時の決定)をするのは避けた方が良いでしょう。
菩提寺(お付き合いのある寺院)のある方は、寺院に相談が必要になります。
また、ご家族や親戚、友人、各関係者などのことも考えなければなりません。
友引日のお葬式を気になされる方がまだまだ大勢いらっしゃいます。
迷信とは言っても「死へ引き寄せられる」といったイメージの友引を不快に思われることもあります。
周囲の方々の意見を聞いて調整されることをおすすめいたします。
~横浜市北部斎場での家族葬~横浜市瀬谷区在住のお客様実例
自宅でご逝去されたお母さまのお葬式は、葬儀式場と火葬場が併設された横浜市北部斎場で執り行いたいとのご相談がありました。
葬儀形式(スタイル)は仏式での家族葬です。
菩提寺(お付き合いのある寺院)はありません。
式場の空き状況をみると、お葬式は一週間後になります。
二日後の友引日は空いています。
つまりは、友引日に葬儀を行うことにすれば、ご逝去後の翌日にお通夜、翌々日(友引)にお葬式ということになります。
自身とご家族のお気持ちを考慮すると「友引」でのお葬式は避けたいとのことです。
その反面、なるべく早く故人(お母さま)には、安らかに休んで欲しいとの想いもお持ちです。
さくら葬祭がご提案をさせていただいた内容は
以上の提案にご理解をいただき、正式なご依頼となりました。
お花入れ(最後のお別れ)時にはクラシック音楽がお好きでいらっしゃった故人(お母さま)に、ヴァイオリン奏者による献奏をさせていただきました。
【今回の記事のポイント】
六曜では、友引にお葬式をあげることが悪いことであるという考えはありません。
仏滅も同様に、仏教とは何の関係ないということです。
また、風習の名残ではありますが「友引人形」と言われ、お人形をお棺の中にお入れすることもあります。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。