葬儀マナーの実際

2022.06.15

お葬式でのマナーについて:時間編

お葬式でのマナーについて:時間編

お葬式のマナー、知っているつもりで実はよくわからないということも多いのではないかと思います。お葬式に参列する機会は滅多にあることではないので、知らないことがあっても当然です。

これまでもお葬式についてのマナーについては、何度かお伝えさせていただきました。

 

【お葬式のマナー】

https://www.sougi-sakura.com/blog/category/manners/

今回は、時間のマナーについてお伝えいたします。【お通夜・告別式に来る時間は守りましょう】時間を守るのは、なにもお葬式に限ったことではないのですが、普段とは違った特別な場であるからか、時間の概念がずれてしまう方がいらっしゃいます。

まずどのような場合であっても、シンプルに時間を守りましょう。決められた時間を守るのは当然のことです。

 

◎ ご家族に余計な負担をかけてしまう

昔なら、お通夜も告別式も、自宅で行われることが多かったため、多少時間がおしてもご自宅が開いていれば夜遅くに駆けつけるということもできたでしょう。

しかし今は、葬儀場を借りたり、お寺でお葬式を行うことも多いです。ご自宅とはまた違いますので、勝手なことはできません。当然、その施設の利用時間や閉門時間が決まっています。

たとえば、先日お葬式でこのようなことがありました。お通夜には予想を超える会葬者様がいらっしゃっていました。

お通夜の時間は受付の人とも打ち合わせをしており、17時からとなっておりました。18時30分には閉まる会場だったのですが、そんなとき急に喪主様に「今、そちらに向かっている」という連絡が入ります。

そうなると、どのようなことが起きると思いますか?

喪主様はたったおひとりのために帰ることもできず、時間を延長してお待ちしなくてはなりません。

こちらに向かっているというそのお気持ちを無下にすることもできず、かといって斎場の時間は決まっている。そんなに悠長に待っているわけにもいかないのです。

さらに、ご家族は悲しみの中であわただしくお通夜や告別式の準備を進めてきました。精神的にも肉体的にも疲れている中、できるだけ早く帰宅をして明日に備えたいはずです。

しかし、これから来ると連絡をもらった以上、帰るわけにはいかないでしょう。到着まで待っていなくてはなりません。

ただでさえお辛いのに、さらに辛くなってしまうことは容易に想像できるでしょう。

もしどうしても遅れてしまうなら、後日お電話やお手紙でお悔やみの気持ちを伝えることもできるはずです。ご家族のことを考えれば、直接その日にお伝えする以外の方法もあるということです。

 

◎ 何よりも、ご家族のお気持ちを優先する

また、時にはこのようなことがあります。精進落としのお食事の場でのこと。故人様との思い出を話すことは、大切な供養の一つでもあります。

しかし懐かしさのあまり、長々と話を続けてしまうのはいかがなものでしょうか。お話が尽きない、もっと話していたいという気持ちはわかります。お酒が入るとつい話が盛り上がってしまうこともあるでしょう。

しかし、お通夜、告別式と短い時間の間に様々なことをこなしてきたご家族は、疲労もピークに達しています。そんなときに長々と盛り上がられてしまったら…。

ご家族のことを考えれば、適当なタイミングで切り上げるのがマナーというものでしょう。

 

【大切なことは?根本から考えることがマナー】

マナーというと、お香典の渡し方やお焼香の仕方など「形」にばかりこだわりがちですが、大事なのはそこではありません。

失礼のないようにと思う気持ちは大切ですが、お葬式という場では何よりも相手の気持ちを考えることが大切ではないでしょうか。

どう振舞えば良いかは、その都度正解が違います。その時々の状況によって正解は変わってきますから、今どうすることがご家族の負担を減らせるのかを考え、その場に相応しい行動を取ることがマナーでしょう。

正解はたくさんありますので、迷ったらとにかく落ち着いて考えることです。

今回お話ししてきた時間についても、考えてみればすぐにわかることでしょう。斎場の時間は決まっているのですから、閉まるまでに間に合わないのならお悔やみの気持ちは後日お伝えすれば良いのです。

時間を守るというのは、どの場面でも大切なことです。当然のことですが、お通夜やお葬式だからといって守らなくても良いということにはなりません。根本的なことを考えれば、その場に相応しい行動はきっとわかるはずです。

ご家族だけに負担をかけないように、招く側と招かれる側が1つになっていくことが大切です。

 

【さくら葬祭は「一座建立」がコンセプト】

もてなす側だけでなく、もてなされる側にも礼儀が必要です。時間を守るということもそのひとつです。

さくら葬祭のコンセプトは「一座建立」。茶道の世界で、亭主(招いた側)と客(招かれた側)の心が通い合い、一体感が生まれることで和気あいあいとした心地よい場になることを指す言葉です。

さくら葬祭が目指すお葬式はまさにこの「一座建立」であり、ご家族のお気持ちと会葬者のお気持ちがひとつになったときに、心に残る素晴らしいお葬式となると考えています。

細かいところに目を配ってこそのお葬式です。招かれる側の礼儀やマナーを忘れず、ご家族のことを最優先に考える気持ちも忘れてはなりません。

今日は時間を守るというマナーについてのお話をさせていただきました。

さくら葬祭は、みなさまの大切なお葬式にまじめにひとつひとつに想いを込めて執り行います。

こんなお葬式はできる?こんなときどうすればいい?など、お葬式に関して疑問、不安などがございましたらどのような小さなことでも結構です、お気軽にご相談ください。

 

Books

私の葬式心得

本書は、自分を「おくられ上手」に、また家族を「おくり上手」にする一冊として、これからの「理想的なお葬式」のあり方を提案していきます。
株式会社SAKURA 代表取締役 近藤卓司著「わたしの葬式心得」幻冬舎出版より発売中です。アマゾンで好評価5つ星。

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