なずな日記

2019.07.14

おいちゃんへの手紙

おいちゃんへの手紙

おいちゃん、そちらでは元気にしていますか?

早いもので、おいちゃんが旅立ってもう4年になりました。その間いろいろなことがありました。

 

おいちゃんと一緒に住んでいた家は、思い出深くて引っ越すのをためらう気持ちもありましたが、そこに友達はいても、これと言った身寄りもなかったし、ちょっと心細くなりました。頼れる存在と言えば、おいちゃんのお姉さん達くらいしかいません。何かあったときに駆け付けてもらうのにも、遠い所では大変だろうと思い、それでお姉さん達の住まいにも近い、今の住居に引っ越したのです。

お姉さん達とは、そこそこ仲良くやっています。あまり近過ぎるのも喧嘩のもとだと思いますので、これくらいがいい距離感だと思います。

 

おいちゃんが死んでから、私は泣いてばかりいました。病気と同じで急性期は、大きな悲しみに押しつぶされそうでした。

ちょっとしたことでおいちゃんを思い出し、涙が止まらないので、帽子をかぶったり、サングラスをかけたりしてごまかしていました。

 

そして今は、どうなのかと言えば、普段は全く平常に戻りました。ランニングも定期的にしています。旅行にも行きます。フィットネスクラブが休みの時は、おいちゃんがいた頃は、スーパー銭湯に行ったものでしたが、今は家のお風呂に入るようになりました。お金の節約のためと、一人の夜道は不用心だと思ったからです。

 

今はもう、大丈夫なんだけどね。

大きな感情の起伏はないにしても、なぜ一人でいるんだろう?などふと思ったり、今の暮らしの中で、おいちゃんがいた時との違いを感じたりすることが度々あります。悲しみは決してなくならず、心の底深くに、葬っているだけなのではないかと思います。

 

そちらではどうでしょうか?

死んだら人は終わり。そう言う人もいますが、私は死んだ人はこの世とは違う世界に住んでいるのだと信じています。

どの宗教でも、「天に帰る」「あの世に帰る」と言います。この世にはほんの短い時間いるだけで、本来いるべき場所は、そちらの世界だとどの宗教家も言います。それに昔から信じられていることって、けっこう核心を突いていることが多いものです。

きっと、おいちゃんはそちらの世界にいて、こっちにいる私を見ていることでしょう。

 

普段は、タンスの上にあるおいちゃんの祭壇に、花と毎朝の線香を供えています。おいちゃんの家はカトリックなので、本来線香はあげないものですよね。でも、おいちゃんが亡くなってすぐのとき、線香を持ってお参りに来てくださる方が多かったので、それから線香をあげるようになりました。

無香の線香がなくなったら、香りのあるものに替えて、それを交互に焚くことにしています。同じ香りばかりでは飽きるし、違う香りの線香は、替えるときに香り同士がが喧嘩しそうに思うからです。

 

先日はお墓参りに行きました。お彼岸と命日くらいしか行っていません。引っ越してお墓が近くなったのに、ごめんなさい。だって、おいちゃんは、この家にいると思っているんだもの。

それにしても、お墓が草ぼうぼうになるのもどうかと思うので、命日とお彼岸には行くことにしています。あとは思い付いた時に。

おいちゃんの命日に行ったときは、石を敷き詰めたお墓に、あまり草は生えていませんでした。でも、花立てが倒れていました。汚れていたので回りと中を洗って、花を活けておきました。

隣のお墓に生えた草が、こちら側にまで来ていたので、引っこ抜きました。

墓石に水をかけるのは、良くないと聞いたので雑巾で拭きました。ほら、きれいになった。

 

おいちゃんがいるのは私も住んでいるあの家。お墓にはおいちゃんがいるとは思えないのだけれど、確実にあるのはおいちゃんの遺骨。

 

やっぱりきれいにしないとね。

 

 

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