葬儀マナーの実際
2021.03.12
ご葬儀に参列する際、服装は?持ち物は?お焼香ってどうすればいいの?と迷うことがたくさんあると思います。
お葬式に慣れている方はあまりいらっしゃいませんので、マナーがわからないと不安になってしまうのは当然のことでしょう。
失礼のないようにと、事前に調べる人も多いと思いますが、インターネット上には首をかしげるようなマナーも多数存在します。
そこで今回は、ご葬儀に参列する際の心構えとマナーについてお話しいたします。マナーは誰のためのものなのか?を一番に考えていただきたいと思っています。
葬儀におけるマナーやルールは、実は一つではありません。ですから、これさえ知っておけば絶対に大丈夫、というマナーはなく、宗教やその土地の習慣によっても変わるものであるということを覚えておいてください。
お香典の金額も故人との関係性によって変わりますし、お焼香の回数は宗教や宗派によっても違いがあるので、事前にはわからないこともあります。例えば、真言宗でのお焼香は3回とされていますが、浄土宗では特に定めがないとされています。
お焼香は1つしかないと参列者が並んでしまい、文句を言う人がいるため、複数用意するのがマナーという人もいますが、それも葬儀の場所によってひとつしか用意できないこともあるでしょう。そのようなことで文句を言う方が、マナーを理解していないと思われます。
キリスト教式でも、カトリックなのかプロテスタントなのかによって、葬儀の手順に違いがあります。
ですから、あまり「こうでないといけない」とこだわるのではなく、臨機応変に対応することが大切です。作法でわからないことその場では、前の人の真似をするというくらいの気持ちでいても大丈夫でしょう。
など、一般常識の範囲がわかっていれば良いでしょう。
ところが巷には、特に必要のない、根拠もわからない「トンデモマナー」も存在します。このようなものに惑わされないことが大切です。
ネット上には、例えばこのような服装や髪型のマナーが、まことしやかに展開されています。
など、細かく書かれているサイトを見かけます。
確かに、お葬式の場に派手な服装やメイクで行くことは、好ましくありません。ゴールドのネックレスや指輪、ミニスカート、サンダルなどは避けるべきです。
しかし、髪型については、清潔感があり、お会いする方に不快感を与えないようにすれば、どこでまとめるかは問題ではありません。
また、メイクについても、パーティー用の派手なメイクでなければ、色を限定する必要はなく、アイラインの太さも、特に決まりなどありません。
これらのトンデモマナーは、マナーやルールの本質を忘れてしまっていると言わざるを得ません。
マナーとは、一緒にいる方に不愉快な思いをさせないための気遣いであり、相手を思う気持ちを態度や形に表したものです。
ですから、葬儀という悲しみの場に行くに際し、この服装や髪型が相応しいか?と考えれば、自ずと答えは出てくるでしょう。
ご葬儀に参列するにあたって最も大切なのは、いうまでもなく「故人を思う気持ち」です。
そして、ご家族の悲しみに寄り添い、弔意をお伝えすることです。
そのような気持ちの上にマナーがあるのであって、形から入るものではないのです。葬儀が何のためにあるのか、ということを忘れてはいけないでしょう。
形にとらわれるのではなく、お悔やみの気持ちを伝え、ご家族の気持ちを最優先に考えることが何よりも大切です。
マナーやルールに囚われすぎて、「お焼香は3回しなければならない」「どこで、誰に、どのタイミングでお辞儀をするのか」など、細かいことで頭がいっぱいになってしまい、かえって失敗してしまうことも考えらえます。
大事なのは、葬儀とは何のためにするものなのかという原点を考えることでしょう。マナーにこだわりすぎて、大切な葬儀の場を台無しにすることのないようにしたいものです。
さくら葬祭では、ご葬儀の場で、目に余る行動をされる参列者様には、ご家族のご了承を得た上で、お声がけさせていただくことがございます。
別室に移っていただき、お気持ちを伺ったり、しばらくその場で落ち着きを取り戻していただくこともございます。
葬儀という場で、さまざまな感情が溢れ出てしまうこともあるかと思いますし、その人ごとにお見送りの形というものがあるでしょう。
しかし、ご葬儀はご家族と故人の最後の大切な時間でもあります。私たちは、その時間をお守りすることが何よりも大事だと考えておりますので、ご家族の気持ちを最優先にしたマナーを心がけていただきたいと思います。
葬儀についての資料を
ご送付いたします。