納棺師が綴る『故人カルテ』

2016.04.10

歯を大切に

最近、銀歯が取れました。

詰め物の寿命はとっくに過ぎているので、いたしかたありません。

歯医者に行く時間を作らないとダメですね。

 

 

毎日、亡くなられた方のご処置をさせていただいておりますが、ここ最近、インプラントをされている方が多くなっているように思います。

 

チタンが骨組織と結合する現象を利用した、人工歯根による治療法です。

ご自身の歯と同じように過ごせるというメリットは、かなり魅力的だと思います。

 

 

ただ、違和感を覚える状態の方が多いのはなぜでしょうか。

 

 

異様に大きな歯がついていたり、上顎だけでなく下顎まで出っ歯になっている方もみられます。

 

TVを見ていて芸能人の方々も大きめの歯をされているように見受けられます。

それがスタンダードなのかもしれません。

 

お年をめされて口元が痩せたために、口元の皮膚に盛り上がった歯が浮き出ている様子には、違和感を覚えてなりません。

異様に突き出た大きな歯が、唇を閉じさせません。

 

加齢や入れ歯を外して生活されていると、それまで使っていた入歯も当然合わなくなりますが、綿で歯の代わりを形成することで、その人らしさを取り戻して差し上げることができます。

 

インプラントについては、どうにもなりません。

 

 

ここ20年くらいの間にめざましく発展している治療法です。

 

「入れ歯の代わりにどうですか」と勧められているのは間違いないでしょう。

 

食欲という人間にとって欠かせない欲求を満たせないなんて、その方の幸福度に大きく影響します。

歯医者側としても、診療報酬が大きく、Win-Winであるように見えます。

 

インプラントは第3の歯とも呼ばれています。

大事に使えば半世紀もの間、継続して使用可能です。

ただ、顎骨に手を加える手術であるがために、一度手術をすると問題が生じた際に修正が難しいそうです。

 

インプラントをされている方のご処置をするたびに、その方の噛み合わせを見ることはもちろんのこと、自分の場合であったらこの治療法が本当に合っているのか、じっくりと見極めて選択したいと思わされます。

 

 

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