終活と在宅医療

2016.07.14

ストーリーは続く

ストーリーは続く

(株)さくら葬祭代表の近藤です。

 

今回は私の著書『わたしの葬式心得』より事例を紹介させていただきます。

 

私が葬祭ディレクターを担当した葬儀についてご遺族から概略こんなお手紙をただきました。

 

~先日は大変お世話になりました。
祖父が終活を始めてから何度も会っていただき、祖父の想いを大事にしてくださったことに感謝しています。
……祖父のリクエストした大好きな曲たちの生演奏、色々なご縁も感じることが出来、祖父も驚いていることと思います。
私と真ん中の妹は中学時代、バイオリンをやっていたということもあり、懐かしい楽器の音色での祖父の送別曲には涙が止まりませんでした。~

 

このご家族の場合は、お祖父さまが高齢にも関わらず自ら「終活」をはじめられ、連絡をいただいたのです。

 

ご高齢でしたので私が何度も自宅にお邪魔しお話を伺いました。

 

当然、私とお祖父さまの会話をご家族も聞いておられたわけです。

 

次第にご家族も話しに加わってくるようになり、結果として家族みんなでお祖父さまの最期に向けたストーリーをつくっていくことになりました。

 

また、お孫さんの一人は妊娠中でしたので、なるべく葬儀に出席しやすい工夫もしました。

 

お手紙はこう続きます。

 

~一番下の妹の出産予定日に亡くなった祖父は、お別れ会が終わった次の日に、自然にひ孫を連れてきてくれました。
皆『おじいちゃんの生まれ変わりだね』」と言っております。
妹は体も大変だったと思いますが、お別れを出来ないままにならなくて良かったです。
作成してくださった祖父のムービーをみて、まだ悲しさは消えませんが、準備をちゃんとすることができ、あたたかな家族葬になって祖父も『おつだなあ』と見守ってくれているはずです。~

 

この文面からわかるように、このご家族の中では、お祖父さまの死と、ひ孫さんの誕生が結びついて、そこに新たなストーリーが生まれています。

 

お祖父さまの死はけっして「お終い」ではなく、ご家族にとっては新たなドラマのはじまりでもあったのです。

 

こうしたご家族の前向きな気持ちは、お祖父さまの葬儀ではなく「お別れ会」と表現されているところにも表れているといえましょう。

 

 

Books

私の葬式心得

本書は、自分を「おくられ上手」に、また家族を「おくり上手」にする一冊として、これからの「理想的なお葬式」のあり方を提案していきます。
株式会社SAKURA 代表取締役 近藤卓司著「わたしの葬式心得」幻冬舎出版より発売中です。アマゾンで好評価5つ星。

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