音楽葬

2017年5月(調布市) 日華斎場

故人はクラシックバレエをなさっていたお母様。

生前書かれたノートには宗教色のない音楽葬で、とありました。

残されたご主人、ご長男、ご次男の男性三人は、お母様の想いを形にするべく悲しみの中、力を合わせてご葬儀の準備を進めます。

音楽葬の中でも、特に思い出深い曲は、献奏として故人にお捧げします。

3歳からピアノを習っていたというご次男が、お母様との思い出の曲を献奏なさることになりました。 演奏曲は、ブラームスのインテルメッツオという決して易しくはない曲です。

小さい頃からピアノをなさっていたといっても、社会人になってこのかた何年かは演奏から遠ざかっていたというご次男。

以前に練習していたといっても、何年かのブランクは厳しいものがあります。しかも、葬儀までの短い日数の中で仕上げなければなりません。

プレッシャーの中、懸命に練習なさったことでしょう。会場で使用する楽器も、ご次男自ら選び搬入なさいました。

式当日。いよいよ、本番を迎えます。

ご次男は、見事にブラームスを弾き切りました。お母様への何よりの手向けです。

お母様を「プリマ・バレリーナとして送る」という音楽葬は無事に終了しました。
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式を終えて、ご次男は
「何だか嬉しかったです」とおっしゃいました。

はっきりと説明はできないけれど、ただただ嬉しいと。

きっと、ご自身の手でお母様を見送った手応えとやり切った感が、そのようなお気持ちにさせたのでしょう。ただでさえ人前でピアノを演奏するのは、大変な緊張感を伴います。まして、お母様の葬儀での献奏です。

無事に演奏し終わった時のお気持ちは、想像するにあまりあるものがあります。

自分の息子に楽器の演奏で見送られるなんて、お母様もこれ以上嬉しいことはなかったでしょう。

大切な方との別れは辛く悲しいものですが、最善を尽くして故人を送ることで、残されたものたちの気持ちが満たされることもあるのです。

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